SNSのパーラーがDSのプラットフォームから追放。トランプ陣営が使うから、敵に塩を送りたくない!たぶん壮大なブーメラン、いじめダメ絶対!
- カテゴリ:
- アメリカ大統領不正選挙
トランプ派愛用パーラー、存続危機の背後で何が?ハイテク企業からサービスを打ち切られ、事業継続は一段と困難に(2021年1月13日)
保守系SNS(交流サイト)のパーラーは「言論の自由」を掲げて2018年に誕生して以来、フェイスブックやツイッターのルールにうんざりしていたユーザーの心をつかみ、ドナルド・トランプ大統領の支持者らを引き寄せた。だが、投稿内容にほとんど介入しない方針が裏目に出て、11日にはサービス停止に追い込まれた。
アマゾン・ドット・コムは突如、パーラーへのクラウドサービスの提供を停止。パーラーは事実上、業務執行が不可能な状況に陥り、アマゾンを相手取って訴訟に踏み切った。さらに、他のハイテク企業からもサービスを打ち切られたことで、事業の継続は一段と困難になった。
背景にあるのは、先週発生した連邦議事堂乱入事件だ。事件が発生した6日午後、アマゾンはパーラーのプラットフォーム上に「不適切な」コンテンツが掲載されているとの報告があるとして、同社幹部に警告。24時間以内に対処するよう要求した。
パーラーのポリシー担当責任者はその数時間後、アマゾンに対して「この種のコンテンツに対しては適切に対処しており、ここ数週間にわたり法執行当局と積極的に連携している」と回答した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は電子メールの内容を確認した。
アマゾンは7日、これに対し「この問題は解決済みと考えてください」と返信。パーラー幹部はこれを受け、同社の有害コンテンツへの対応が不完全ながらも許容されたと受け止めた。
だが、実際はそうではなかった。アマゾンはそのやり取りから2日以内にクラウドプラットフォームからパーラーを排除すると発表。先にパーラーとの関係断絶を表明していたアルファベット傘下のグーグルやアップルに追随した。他の取引企業もパーラーとの関係を断った。クラウド通信技術の米トゥイリオは2要素認証(2FA)システムの提供を停止し、パーラーは新たな偽アカウントの排除ができなくなった。企業向けID管理システムのオクタは、重要な法人向けソフトウエアのツールからパーラーを閉め出した。
パーラーは、議事堂占拠を組織・参加し、祝ったユーザーのより所となったことでのけ者になった。また、ジョー・バイデン次期大統領の就任式前後に暴動を呼びかけるフォーラムになっている点も問題視されている。
パーラーによる対応が不十分としてハイテク各社が警告していた投稿には、マイノリティー(少数派)が多く集まる地域の水に毒を入れるとか、敵とみなす相手を殺すといった内容のものが含まれる。
パーラー幹部は、暴力を扇動する投稿は同社の規定に違反しているとしながらも、議会占拠事件に至るまでそのような投稿がパーラーをはじめ他のプラットフォームに残っていたことは認識していると話す。同社のコンテンツ監視要員は大半がボランティアで、ここ数カ月のユーザー急増に対応が追いつかず、有害コンテンツへの対処が滞っていたという。
パーラーのジョン・マッツェ最高経営責任者(CEO)は、問題コンテンツの特定と排除に向けたアルゴリズムの利用を申し出たと述べている。アルゴリズムは大手ソーシャルメディアが活用しているが、パーラー幹部はこれまで利用に抵抗していた。
パーラーはサービス再開に向けて新たな取引先の確保に奔走しており、幹部らは少なくとも1週間はかかるとみている。共和党の大口献金家レベッカ・マーサー氏ら投資家の支援を受けるパーラーは、アマゾンのサービスを利用しなくても業務を再開できる資源と潤沢な資金を有しているとマッツェ氏は話す。だが一方で、サービス停止が長引けば、将来的に足かせになりかねないことも認めた。
パーラーのジェフリー・ワーンニック最高執行責任者(COO)は「われわれは取引先企業と定期的に対話していたが、相互関係に根深い問題があると示唆した企業は1社もなかった」と述べる。
投稿内容に対するパーラーの緩い指針が呼び水となり、2020年の大統領選は盗まれたなどと主張するトランプ支持派はパーラーに殺到。ツイッターやフェイスブックはこうした主張を取り締まっており、パーラーへの乗り換えを後押しした。パーラーによると、同社は1500万人のユーザーを抱えている。
パーラーを巡る問題は、ネット議論に関して一握りのハイテク企業が持つ影響力の大きさを浮かび上がらせた。ツイッターやフェイスブックなどの企業は、暴力をあおる投稿内容を禁じる規定に違反したとしてトランプ氏の利用を禁止するなどの措置を講じたが、これは今後ビジネスを変える可能性がある。
パーラーが閉鎖される前、ユーザーは別の右派系SNS「ギャブ」や対話アプリ「テレグラム」に乗り換えるようフォロワーに促していた。パーラーのウェブサイトは11日朝の時点で接続が停止され、ユーザーは投稿や閲覧ができなくなった。
パーラーはその数時間後、アマゾンを提訴。同社がクラウドサーバーから排除したのは「政治的な敵意」や競争を阻害する意図があったためだなどと訴えた。アマゾンの広報担当は、パーラーの主張は根拠を欠くと指摘。どの投稿が認められるのかについては、パーラーの決定する権利を尊重すると述べた。
アマゾンはパーラーへのクラウドサービス打ち切りを決めた理由として、暴力的なコンテンツの事例98件について挙げ、これが同社の規定に違反していると説明した。パーラー側はその98件すべてについて削除したとし、一部はアマゾンから報告を受ける前に削除したと説明している。
ハーバード大法科大学院で教えるエブリン・ドゥーク氏は、パーラーでの議論もしくは有害コンテンツの監視・対応が他のフォーラムよりも根本的に悪いのかどうかを決めるのは「経験的にも哲学的な見地からもほぼ不可能な問いだ」と指摘する。その上で、アプリ配信ストアからの締め出しや他のネットインフラの提供打ち切りの根拠として、パーラーの問題コンテンツへの対応が不十分だったと主張できる一方で、今回のハイテク企業による対応の速さは疑問を投げかけると話す。「98件が基準だとすれば、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は残るネット上の投稿を見たのだろうか?」
一方、非営利調査団体「アドバンス・デモクラシー」の責任者、ダニエル・J・ジョーンズ氏は、多数のパーラー利用者が1月6日に暴動を呼びかけていたと指摘する。「極右の過激派や『Qアノン』などの陰謀論を唱える組織は、緩い投稿監視や規定を理由に、こぞってパーラーに流れた」
パーラーのシステムが最初に大きく試されたのは、大統領選の結果に不満を抱えた保守派が殺到した昨年11月だ。ユーザー数は数日以内に倍以上となる1000万人余りに達した。同社幹部によると、新規ユーザーはスパムやポルノなど、多くの問題も持ち込んだという。
パーラーはユーザー急増に対応するため、過去2カ月にコンテンツ監視要員のボランティアを200人から600人に増やし、給与の支払いも開始した。またここ数週間にフルタイム社員も採用している。